あめあめ

夏が長くて、ホントに長くって、秋なんて来ないんじゃないの?なんて言ってたのはほんの一週間程度前のことで、そのころ僕は大阪にいて、大阪も暑くて、お昼に入ったお店の冷房の寒さを思い出す。ちょうど今の寒さくらい。突然秋が来て、皆がびっくりしてるし、雨も降ってる。たぶん秋雨。冷たい雨は苦手だけど感傷に浸ってるっぽいのは嫌いじゃないから、どうでもいい感じなんだと思う。春ころには秋のことなんて考える余裕もなかったくせに、2年後に想いを寄せてみたりもしていたなぁ。とか。あんまり雨が強かったから、いつものイヤホンからヘッドホンに差し替えてくるりの新譜を外で聴いてた。雨だし深夜だから音漏れも関係ないと思ったし、酔っぱらいが騒いでるんだと思ってもらえればいいから大声で歌ってみたりもした。けど雨音が大きいから大声なのかもよく解らなかった。風邪をひくと純文学っぽい気持ちになるって誰かが言ってたけど、夜、豪雨、ひとり、コンビニ、もなかなかいいと思った。しかも薄汚れたジャージ羽織ったりなんかして。春くらいに好きだった子にこのジャージ貸したっけとか、なんも出来なかったなって事とかを思い出して訳わかんない顔して歩いてた。流れてくる曲もそんな感じの曲だったからすごく気持ちよくて、ニタニタしながらコンビニで牛乳買って帰ってきた。僕が持ってる傘は折りたたみ傘しかなくて、それは僕一人入りきらないくらい小さいから左肩が濡れてた。濡れたからか、すごく肩を意識しちゃって、あの時このジャージ越しに肩とか抱いたっけ?とか考えてみたけど、今はそんなに思い出さなくても良いかって思ったから思い出さないでおいた。わざわざ自分から寂しくなるようなことを夜中にするもんじゃないなって。でもやっぱり少し思い出しちゃうから早く寝なきゃいけないと思うんだけど、秋の夜長ってこんなに長かったっけ?